冬の予想平均室温について

 今泉 太爾

■冬の予想平均室温について

エネルギーパスの冬の予想平均室温についての質問を頂きましたので、
ついでに計算内容について記載します。

冬の予想平均室温では、12月〜3月までの平均室温を計算しています。

(なお、記載はありませんが、全館暖房の場合は期間平均室温は20℃となります。)

 

 

無暖房の平均室温は断熱性能と外気温、内部発生熱、日射取得熱、熱容量によって変動します。

間欠の場合はそこに間欠暖房による発生熱を足します。

■暖房負荷の計算

となります。なので月暖房負荷から逆算して、

となります。
無暖房時の平均室温を上げるには、

Q値(熱損失/床面積)を下げるだけではダメで、日射取得熱を増やさなければなりません。

また、Q値が低い場合は熱容量が軽いと日射取得熱を効率的に利用できなくなる為、

日射取得熱を増やすと同時に熱容量も高める必要があります。

 

■おまけ

>>暖房時の室温がQ値1.0程度の外皮でも約11℃と低かった。
>>平成25年基準では早朝トイレの室温が10℃以上と聞いたのですが・・・

 

これは、冬期の日射取得熱量が少ない(かつ熱容量が少ない)ためです。

例えばH25年基準で想定している日射取得熱量は月大体1,000〜1,200kWh程度を見込んでいます。

当該物件はグラフ6(2ページ目)の冬期に日射取得熱量がかなり低いのではないかと考えられます。

ScreenClip

こういった現象は窓の高性能化と共に増加している現象と考えられます。熱損失を下げることを優先した場合、日射遮蔽型のダブルLow-Eとなる為、日射取得率が3割前後になってしまう様で、冬期の日射取得熱量が大幅に減少しています。(平成25年基準ではペアガラス+アルミサッシなので日射取得率は79%)

高断熱住宅がパッシブ建築と呼ばれる所以は、冬期の日射熱を有効活用しないとQ値の割に体感では寒くなってしまう場合があるからであり、高断熱化と共に考える「冬期の日射取得の最大化」は、高性能住宅設計時の重要なポイントと言えます。