冷房における潜熱負荷の計算方法

 今泉 太爾 , エネルギーパス , コラム記事

住宅における冷房潜熱負荷の計算方法

インターネット上において暖房負荷計算についての記述は多少見かけるものの、冷房負荷、事に潜熱負荷に関する計算方法を解説しているページはあまり見かけません。

そこで、冷房潜熱負荷の計算方法を住宅のエネルギー計算に興味がある方用に、参考のために記載いたします。

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上記のとおり冷房における潜熱負荷が発生するのは、外気絶対湿度(Xe)と内部発生湿度(DAQin)を足した絶対湿度が、Xi(室内設定絶対湿度)を上回った場合に発生します。これを1時間ごとに計算して積み上げることで月間の冷房潜熱負荷が計算できます。

冷房潜熱負荷を小さくしていくためには、室内絶対湿度(Xi)の湿度を上げる、又は換気量(V)を少なくすることになります。前者は我慢できる湿度はどのぐらいかという対応になるので一般的な建築の提案とは異なりますので、換気量を以下に抑えるかを考える事が建築的な対応と言えます。なお、エネルギーパスでは基本的に室内設定は27℃(任意で変更可能)相対湿度60%における絶対湿度13.43g/kgよりも絶対湿度が高くなった場合に冷房潜熱負荷として計算しています。

●絶対湿度
絶対湿度は重量絶対湿度(g/kg)と容積絶対湿度(g/m3)があります。一般的にはエネルギー計算をする場合の絶対湿度はg/kg又はkg/kgを使います。しかし換気の計算を行う場合は換気量(m3)で計算していくことが多いために間に空気の密度(kg/m3)を噛ませることで単位変換を行う必要があります。ざっくり計算する場合には0.83をかければg/m3はg/kgに、反対に0.83で割ればg/kgはg/m3になります。(空気の密度を20℃で計算すると1.205kg/m3となるため)

 

●内部発生潜熱負荷
内部発生潜熱(Qin)の計算が割と珍しいのではないかと思いますので、少しだけ解説いたしますと、エネルギーパスで採用している内部発生湿度は4.2kJ/m2hです。これはIBEC発行の住宅の省エネルギー基準の解説書における計算条件として記載されている潜熱負荷です。(もう一方の顕熱負荷は16.7kJ/m2h(4.65W/h)は割と有名ですね)4.2jK/m2hだとどのぐらいかピンとこないと思いますので、単位を変換すると1.65g/h、120m2の戸建だと197.7g/h、1日当り約4.74kgの水蒸気が蒸発しているという計算になります。(少し少ない様には思いますが、規格なのでまあしょうがないですかね)

計算方法から見えてくる、潜熱負荷の削減方法

さて、では換気量を抑えるにはどうすればよいかと言えば、これまた方法は大局すると2つあります。
1時間当り0.5回転を下回る分けにはいきませんから、一つ目は限りなく0.5回転に近づけるように換気計画を行うことと、同時に隙間風による漏気をゼロに近づけるべく気密性を高めることです。

二つ目は、熱交換換気の導入により、外気絶対湿度(Xe)の削減です。熱計算上は実際には0.5回転/hの換気を行っているが、全熱交換によって削減できた分だけ、潜熱負荷計算上の換気量を少ないものとして計算します。

エネルギーパスを使うことで、例えば室内温度は29℃設定の場合の潜熱負荷計算を行うことが出来ますので、お施主様の冷房設定条件に応じた個別的な燃費計算をご提供することが出来ます。

Q = DA  * 0.834 * V * 3.6

因みに、簡易的な潜熱負荷計算方法として、上記のようなものもあります。エライすっきりしますね・・・。でも計算精度は結構いい線行ってまして、誤差数%程度まで求めることが出来ます。