A=「普通のおうち」B=「低燃費住宅」あなたならどちらを買いますか?

 今泉 太爾 , コラム記事 , 協会について

日本エネルギーパス協会が何をやっている団体なのか?

今日は、日本エネルギーパス協会が何をやっている団体なのかについて、少し解説させていただきます。
ザックリといえば私共は「家の燃費」つまり光熱費を見える化していくということを推奨している団体です。 具体的にはみなさまに、燃費計算を設計段階で行っていただく為の「勉強の場」と「燃費計算ソフトウェア」などを提供させていただいております。

5「この○○の家を□□で建てた場合には、一般的な生活を送った場合に、電気代とガス代が一年間で約25万円いくらぐらいかかりますね。」

というような燃費計算結果を、設計段階でお客様にアウトプットしながら住宅を提供する営業活動を推奨、サポートしています。
こういった「家の燃費」を建てる前の段階でお客様に提示していくと、例えば新商品の高性能樹脂窓があったとして、今標準仕様で提供しているアルミサッシからアップグレードした場合(U値4.65→0.8)年間の光熱費がどのぐらい下がるのか?導入予定の暖房の設備効率を考慮して予想される燃費をはじき出します。
例えば光熱費が3万円下がったとします。一方アップグレードに必要な差額は60万円だったとします。60÷3=20年で元が取れる計算になりますね。20年で元が取れるなら、30年以上住むのでこの窓は買いだ!ということをお施主様が判断できるようにサポートしていく営業方法です。

 

光熱費をチマチマと計算して一体何のメリットがあるのか?

私どもは概要としてはそういうことをやっていますが、正直、光熱費をチマチマと計算したりするの面倒くさいし、そのようなことをして一体何のメリットがあるのか?というところをお考えの方が圧倒的に多いのではないでしょうか?

言いたいことはよくわかります。確かに手間ですものね。丸一日かけてチマチマ計算して、たった数万下がる程度では、財布のひもが固いお施主様の心が動くはずがない・・・と言ったところが本音ではないでしょうか。

しかしながら、このご疑念に対しては、はっきりと申し上げたいと思います。

「儲けたいのならば、絶対にやったほうがいいです!」

というのが私たちの結論です。

 

世の中にこの2択を提案したい。

このお話を説明する為に、私たちのやっていることを一枚の絵にしてみましたのでご覧ください。

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まずA=「普通のおうち」、B=「低燃費住宅」。

大局すると2種類のおうちの建て方があります、私は世の中にこの2択を提案したいと考えています。というのも消費者のみなさまには、細かいことをいろいろ言い出してしまうと、みなさん帰ってしまいます、難しい、わかんない、考えるのがめんどくさいと。ですので、出来るだけ話を単純化して考え方を整理してあげる必要があります。

「家を建てる場合には、大枠では方向性としてAとBがあります。特徴はざっくりAはこういうものです。そしてBはこういうものです。さて、どっちらの方向性がお好みですか?」というほうが判断しやすいです。省エネは目に見えにくいし条件が多様なため、プロでも判断が難しいものです。しかしながらもし仮に条件そろえて2択まで絞り、どっちが好きかというレベルまで単純化することが出来れば、どんな素人の方でもどっちがいいかの判断ができます。

 お施主様は「パッと見がお安い家」が好き?

Aは普通のおうちを建ている、つまり特に省エネ建築に特化するわけではなく、例えば一般的には次世代省エネルギー基準レベルで建築するケース。

B、外壁の断熱材は20cmトリプルLow-Eの樹脂サッシを使い、気密性バッチリと高め、設備も高効率なものを選定したりと、可能な限り省エネルギー化を頑張ってみた低燃費住宅。

A「普通の住宅」、B「低燃費住宅」あなたならどちらを買いますか?

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さて、皆さんならどっち買いますか?正直これだけでは判断できないですよね。もう少し情報が無いと何とも言えませんね。

では、例えばAのおうちって普通なので一般的に多く流通している普及型の建材を使います。つまり単価ってそんな高くなりません。むしろ最適価格帯のものになるとおもいます。なので、Aのおうちって便宜上薄っぺらく書きましたが、間違いなくBに比べると家のコストは安くなります。 ただし、電気代やガス代、こういったエネルギーを一般的なレベルで食べる家ですから、地域にもよりますが一般的な大きさ戸建であれば大体25〜30万円のレンジぐらいになるのでないかと思います。これは、正直全国そんなに変わらないです。

一方Bの場合、正直断熱材分厚いもの使ったりトリプルサッシにしたりして、普及品ではない特殊な高性能建材使っていったり、気密性を高めるためにいろいろ工夫して手間ひまかけて造る必要があります。つまり、Aに比べるとBのほうが建築費は間違いなく高くなります。ただし、ランニングの燃費は当然、努力したぶんだけ下げていけるわけですよね。どこまで下げられるかは、造った家の性能によって決まります。例えば一般的なAは年間光熱費が30万円かかるとしたら、Bのおうちで半分にする家づくり、年間15万このぐらいは普通に実現可能です。3分の1、年間10万円まで抑える家づくり、このレベルまで行くと手間かかるし、いろいろ技術的に頑張らないといけません。でも、できると思います。

この状態でAとBどっち買いますか?とお施主様に聞いたとします。

この場合、私の経験上ほとんどの方はAを買います。
皆さんの経験上もそうなのでないでしょうか。

 

Aが選ばれる理由は明白です。それは「Aの方が家が安いから」に他なりません。
Aのほうが家が安いので、ローンを組みやすいし、買いやすいですね。だから、ほとんどの消費者の方って、そんなに断熱をとんがらせなくても普通でいいやと。そのように考えて家を建てる場合が圧倒的に多いのでないでしょうか。住宅ストックの実に95%が断熱不足であることを見ても、Aを選ぶ方がいかに多いかが分かります。

実際に提案する側の工務店さんも、材料の性能を上げたい、品質にこだわりたいといっても、やはりお施主様の安いものを買いたいというニーズにはなかなか逆らえません。ということで、Bがいかに「いい家」でも、Bを選択して頂くのは、なかなか難しかったのではないでしょうか。これが今までの日本の家づくりでした。

そこで、私ども日本エネルギーパス協会は「エネルギーパス」の普及啓蒙活動を通して、エンドユーザーがBという選択肢を当たりまえのように選ぶ社会を作ろうと、設立して活動をしているわけです。

選択肢でBを増やすたった一つの簡単な方法

燃費計算なしに普通にやればみんな家が安いAを買ってしまいます。
では、どうすればBが売れるのかと思考錯誤し続けた結果、あることに気がつきました。

意外なことに、答えは簡単でした。AorBの2択提案時に、たったひとつ、ある条件を加えるだけでBが多数派になります。

その条件とは、「イニシャル+ランニングコスト」という定義。A、Bのどちらも「イニシャルコスト(最初にお家を建てるときの金額)」+「ランニングコスト(30年間で生活の上で必要な電気、ガスの総額)」、この2つを合わせた総額が、「AでもBでも一緒である」、つまりトータルの支払額は変わらないという条件をつけるだけ。つまり、イニシャルが安くても、ランニングコストで後払いが増え、初期投資が高くてもあとのランニングコストが安ければ、どちらでも「30年後のトータルコストは一緒になる」ということ。それを「エネルギーパス」で提示するだけです。

この条件を理解していただいた上で、もう一度 A or Bの二択を選択していただくと、驚くことなかれ、ほとんどの方はBを選びます。

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なぜなら、Aは決して安いわけではないということが分かるからです。そしてトータルで同じ金額なら、Bのほうが圧倒的に「いい家」だからです。Bのほうが「建物の性能がよく」、「重厚で高級感があり」「ぶ厚い」上に「耐震性も高く」、さらには初期投資の予算が取れるため、「デザイン性をよくしたり」、「構造に国産材を使ったり」、「仕上げの素材にこだわったり」と、さまざまなことが出来る家だからです。

その分イニシャルコストとしてのお値段は高いのですが、ランニングコストが抑えられた分で行って来いで同じ支払額になる。この総支払額が一緒だという条件が理解できた瞬間、みんなBを選ぶようになります。

当たり前ですよね。電気やガスは使った瞬間なくなってしまい、かたちにも残らないし、資産にもならない。そして、思い出にも残りません。かたちにも残らず思い出にもならないエネルギーに30年間も投資し続けるAの「安い家」よりも、健康で快適でオシャレに暮らせるBの「いい家」が同じ金額であれば、誰だって本当は「いい家」が欲しいですよね。

もちろん前提条件として、一定程度のノウハウと技術がいります。

もちろん、いきなりこんな話をしても信用してくれません。そこには一定程度のノウハウと技術がいります。例えばサッシをアルミから樹脂にアップグレードすると、初期コストは30万上がりますが、光熱費が2万下がります。つまり15年で元が取れてその後は利益が積みあがりますのでこれは買いです!と力強く提案出来る必要があります。

そこで家の燃費をビジネスで活用するために「実務者向けの教育機関」として日本エネルギーパス協会を設立したわけです。

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住宅ローンを支払う35年間の間に購入する電気代やガス代と、省エネないい家とでお支払いが一緒だと理解できた時点で、あえて電気やガスをかいたいと思う人の方が少数派になります。
実は私たちがきちんと提案できていれば、かたちに残らないエネルギーよりも、かたちに残る家を買う、この事を多くの実務家のみなさまに知っていただきたいと考えております。

 エネルギーパス認定講習会のご案内

1016302_757806147582697_1323275403_n本講習では、なぜ建築物の省エネ性能を高める必要があるのか、地球環境保護やエネルギー安全保障、住まい手の健康保護などの様々な視点から理解を深めます。また、断熱や気密、日射コントロールなどのエネルギーパスの計算プロセスを理解することとで、省エネ建築設計の基本的な知識を見につけることを目的としています。研修終了後、所定の手続きにより、日本エネルギーパス協会の認定ライセンス取得、計算ソフトの利用ができるようになります。

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