市民タイムス(長野県)連載・第21回 省エネ性能が資産価値評価に影響する時代が到来?

2015年8月20日

2015年8月19日
【省エネ性能が資産価値評価に影響する時代が到来?】

今年4月から、新築戸建て住宅も「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の義務対象になった。県がこの制度を通して目指していることや、本来、消費者が住まい選びの際に知っておくべき、住まいの『燃費性能』と『健康性能』との関わりなどについてお伝えしてきたこの連載もいよいよ最終回となった。

さて前回、2020年までに戸建て住宅を含むすべての新築住宅・建築物について段階的に省エネ基準への適合が義務化されることになっており、今年7月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」が成立したことを説明した。

そして、今回の新法でもう一つ注目される点が、建築物の所有者は、新築・既築、住宅・非住宅を問わず、省エネ基準に適合していることの認定を受けることができるようになり、それを示す基準適合マークが創設されるという点だ。

国土交通省としては、この適合マークが不動産の広告等で表示することが一般化することにより、省エネ基準に適合している住宅・建築物が不動産市場で高く評価される市場環境が形成され、それらの建築物の資産価値向上が図られることを企図しているのだ。

さらにこの新法の第7条で、「建築物の販売・賃貸を行う事業者は、その販売又は賃貸を行う建築物について、省エネ性能を表示するように努めなければならない。」と定めている。国土交通省は、今後、この表示に関するガイドラインを策定する予定だが、この販売・賃貸事業者に課される表示の努力義務は、新築・既存も問わず、そして基準に適合しない建築物も対象になるという。長野県の「建築物環境エネルギー性能検討制度」では、300㎡以上の新築の住宅・建築物に対して環境エネルギー性能の掲示努力義務を建築主に課している。この国の新たな表示努力義務は、既存の住宅・建築物も対象にしている点で、さらに大きく踏み込んだと言える。

続きを見る...

市民タイムス(長野県)連載・第20回 我が国でも始まる省エネ基準の適合義務化

2015年8月14日

2015年8月12日
【我が国でも始まる省エネ基準の適合義務化】

今年4月から、新築戸建て住宅も「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の義務対象になった。県がこの制度を通して目指していることや、本来、消費者が住まい選びの際に知っておくべき、住まいの『燃費性能』と『健康性能』との関わりなどについてお伝えしてきたこの連載も残すところ2回となった。

さてこの連載の第8回で、ほとんどの先進国では新築の住宅・建築物に対して、省エネ基準への適合が義務付けられているのに対して、我が国では未だに義務化されていないことについて説明した。主な先進国の義務化の状況は、表に整理した通りだ。我が国は省エネ基準への適合が義務化されていないだけでなく、基準自体も欧米各国に比べて、非常に緩いことも以前説明した通りだ。

各国における住宅・建築物の省エネ規制_第20回

そのような状況を踏まえて、いよいよ我が国でも省エネ基準への適合が義務化されることになった。2020年までに戸建て住宅を含むすべての新築住宅・建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化することが、「日本再興戦略(平成25年6月14日)」で閣議決定されているのだ。そして段階的義務化の第一弾として、今年7月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」が成立している。この新法により、2017年度からまずは新築の大規模非住宅建築物から義務化されることになる。

省エネ基準の適合義務化について詳しい東京大学名誉教授で国立研究開発法人・建築研究所理事長の坂本雄三氏によると、戸建住宅は、2020年までに義務化されることになるが、要求される省エネ基準は、現行の省エネ基準相当になる見通しだそうだ。ただし現在の新築住宅は、半分以上が基準に適合していない状況にあるため、義務化以降に供給される新築住宅の省エネ性能の平均水準はかなり引き上げられることになるという。そして省エネ基準に適合していない住宅は、既存住宅も含めて「既存不適格」という現行の法律に適合していないという扱いになってしまうのだそうだ。

続きを見る...

市民タイムス(長野県)連載・第19回 明らかになりつつある断熱性能と健康との関わり

2015年8月6日

2015年8月5日
【明らかになりつつある断熱性能と健康との関わり】

今年4月から、新築戸建て住宅も「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の義務対象になった。県がこの制度を通して目指していることや、本来、消費者が住まい選びの際に知っておくべき、住まいの『燃費性能』と『健康性能』との関わりなどについて、シリーズでお届けする。

さて、断熱性能が低い住まいはヒートショックリスクが高く、ヒートショックで亡くなる方は交通事故死の6倍にものぼることや、アレルギーや喘息の原因になることなど、住まいの断熱性能と健康との間に大きな関わりがあることを以前の回で説明した。

ところが我が国の家の断熱性能の基準を定めているのは、「省エネ法」に基づく「省エネ基準」であり、あくまでも「省エネ」という観点からの基準になっている。一方欧米では、住宅の断熱性能や室温との関係について、健康や福祉という観点から、我が国よりも大きく踏み込んで基準が作られ、政策が推し進められているのだ。

例えば英国では、保健省が低い室温は健康被害をもたらすとしており、室温は21度が推奨温度、18度が許容温度、16度未満は呼吸器系疾患に影響がある温度として室温に関する指針を定めている。そして賃貸住宅のオーナーに対しては、段階的に断熱性能の強化を求めており、2018年4月以降は、なんと一定の基準を満たさない住宅は賃貸することが禁止されるのだという。

また米国北東部の各州でも、州ごとに適切な住宅の室温が規定されており、賃貸住宅のオーナーは最低室温を規定以上に維持することが求められている。また例えばマサチューセッツ州では“Dept.of

続きを見る...

市民タイムス(長野県)連載・第18回 断熱性能の優れた家は体感温度もアップする

2015年7月31日

2015年7月29日
【断熱性能の優れた家は体感温度もアップする】

今年4月から、新築戸建て住宅も「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の義務対象になった。この機会に、住まいの『燃費性能』と『健康性能』との関わりなどについて、シリーズで説明してきたが、連載も終盤に差し掛かってきた。

さて、冬に部屋を暖房して、室温は十分な温度なのにまだ寒い、逆に夏に冷房して室温は十分下がっているのになぜかまだ暑い、そんな経験をしたことはないだろうか?

体感の温度は、室温だけでなく、気流と湿度も大きく影響することは比較的知られているが、実はそれ以上に、壁や天井面や床の表面温度の影響が大きいのだ。

近畿大学建築学部長の岩前篤教授によると、人間の体は、空気温度だけでなく、床・壁・天井面からの輻射熱も感じ取るのだという。そして、体感温度は、概ね室温と表面温度の平均値で示されるのだそうだ。例えば、冬に室内の温度計が20℃を示していても、断熱性が高く家、壁の表面温度が18℃であれば体感温度は19℃だが、断熱性が低く壁の表面温度が10・8℃の家は体感温度がなんと15・4℃になるのだという。つまり同じ室温でも体感温度は壁面や天井面の表面温度次第で大きな差が出てしまうのだ。

体感温度の違い_第18回
これは、放射による熱の移動によるものだそうだ。直接触らなくても、温度の異なるものの間で熱は移動する。例えば洞窟は壁面の表面温度が低く、体からの放射によって熱が奪われ、ひんやり涼しく感じる。逆に表面温度が高い壁面からは、放射熱が体に伝えられ熱く感じる。断熱性能が低い家の場合は、冷暖房をしてもどうしても壁面温度が外気温に近づいてしまう。そのため、室温よりも夏は暑く、冬は寒く感じてしまう。つまり、冬であれば、必要以上に室温を上げないと寒く感じるのだ。逆に言えば、断熱性能が高い家は、例えば暖房時は断熱性能が低い家よりも低い室温設定でも十分に暖かいということだ。

続きを見る...

市民タイムス(長野県)連載・第17回 断熱と併せて考えたい「日射遮蔽」と「日射取得性能」

2015年7月27日

2015年7月22日
【断熱と併せて考えたい「日射遮蔽」と「日射取得性能」】

今年4月から、新築戸建て住宅も「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の義務対象になった。前回、この制度の指定評価ツールのひとつであるエネルギーパスを活用すれば、一般の人でも住宅価格と燃費性能とのバランスを見ながら住まいづくりが進められることを紹介した。今回は、そのエネルギーパスの評価を活用した「日射遮蔽」と「日射取得」の計画について説明したい。

一般社団法人日本エネルギーパス協会理事の晝場貴之氏によると、住まいの快適性能や省エネ性能を高めるためのアプローチとして、「パッシブデザイン」と「アクティブデザイン」という2つの考え方があるという。「パッシブデザイン」とは、太陽光や風など、自然の力を最大限に利用して快適性を確保する手法だ。設備による手法である「アクティブデザイン」よりも「パッシブデザイン」のアプローチを優先すべきなのは以前説明した通りだ。そしてその重要な要素に、太陽の日射熱の利用がある。つまり日射によるエネルギーを上手にコントロールすることが、冬暖かく、夏涼しい住まい作りへのカギになるという。

夏と冬の太陽高度差_第17回図2

長野等の寒い地域では、特に冬に積極的に日射を取り込むことが暖房費削減にも有効であり、南面の窓は、冬に積極的に日射取得するように計画することが重要だ。

一方で夏の日射遮蔽に関しては、基本的には窓ガラスよりもその外側で行うようにしたい。よしずやシェードなどで遮蔽することも有効だが、新築ならば夏と冬の太陽高度差を利用した、庇や軒の出を計画的に設けるべきだ。最近は、デザインやコスト優先で庇のない家が多いが、日射遮蔽を考えないと夏がとても暑い家になる。また、カーテンなど、家の内側での日射遮蔽は、太陽の熱が内部に入るために、外側での遮蔽に比べると効果は大幅に少ないことも知っておきたい。

続きを見る...

市民タイムス(長野県)連載・第16回 エネルギーパスを活用した住まいの燃費性能把握

2015年7月21日

2015年7月15日
【エネルギーパスを活用した住まいの燃費性能把握】

今年4月から、新築戸建て住宅も「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の義務対象になった。
前回、この制度を活用して、住宅価格と燃費性能とのバランスを見ながら家づくりを進めることの大切さ、そして「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の指定評価ツールの中で、年間の冷暖房に掛かる費用が算出できるツールの使用が望ましいことを説明した。
そこで、今回は、冷暖房の光熱費を算出できる評価ツールである“エネルギーパス”について説明したい。

エネルギーパスは、ドイツ生まれの住宅・建築物の省エネルギー性能の評価指標だ。
EUでは、2003年施行の「建築物のエネルギー性能に係る欧州指令(通称:EPBD)」により、全加盟国が家の「燃費性能」の算出や提示を義務付けている。具体的には、EPBDの第7条でエネルギー性能評価書について定めており、住宅・建築物の建設、売買、賃貸借などの取引時にエネルギー性能評価書の取得・提示を義務付けているのだ。

EPBDの制度内容に詳しい野村総合研究所の水石仁氏によると、この評価書は、国が認定した専門家により作成され、戸建住宅では大体5万円程度の評価費用を所有者が負担するのだという。しかしエネルギー性能評価書の提示義務付けにより、エネルギー性能のより高い建築物が評価され、資産価値が向上する傾向にある。そのため、エネルギー性能評価書をきっかけとして住宅のエネルギー性能の向上につなげられれば、所有者にとってメリットがあるのだという。

エネルギー性能評価書の制度は、EU加盟国ごとにそれぞれ定めることになっており、ドイツなどの国では、“エネルギーパス”が活用されて

続きを見る...

市民タイムス(長野県)連載・第15回 把握したい住まいの燃費性能

2015年7月9日

2015年7月8日
【把握したい住まいの燃費性能】

今年4月から、新築戸建て住宅も「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の義務対象になった。この制度を活用して、住宅計画の際に初期コストとランニングコスト(燃費性能)を比較して断熱性能等の仕様を決めることの大切さを前回説明した。
また、EU加盟国では、家の「燃費性能」の算出・提示を義務付けられていることも紹介した。

ドイツの不動産広告_第15回
図1はドイツの不動産広告の例だ。一般社団法人日本エネルギーパス協会理事の晝場貴之氏によると、この広告からわかるとおり、EUでは一般消費者も家の燃費性能をとても重視するようになっているのだという。
我が国の住まい選びでは、価格や駅からの距離等の情報が重視される傾向が強いが、県内の一般消費者へのアンケート調査結果(図2)からわかるとおり、我が国でも初期費用(工事費等)に次いで、光熱費額等のランニングコストの金額情報を求める傾向が高まっている。

住宅新築時等に知りたい情報_第15回
「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」も、住宅価格と燃費性能とのバランスを見ながらの家づくりを一般消費者に促す制度だ。そこで制度活用時に大切になるのが評価ツールの選定だ。“エネルギーパス”や“CASBEE”、“住宅・住戸の省エネルギー性能の判定プログラム”等、県はこの制度で活用できる評価ツールを複数指定している。ツールごとに特色があり、どのツールがベストなのかは一概には言えない。

ただ、住宅価格と燃費性能とのバランスを見ながら家づくりを進めるならば、年間の冷暖房に係る金額が算出できる評価ツールを選択することが望ましい。評価ツールによっては、環境エネルギー性能の評価結果は、エネルギー消費量のみで提示され、金額の提示はない。そのため、例えば住宅事業者から、「A仕様の場合の住宅価格は1,800万円、S仕様だと1,850万円です。一方、それぞれの環境エネルギー性能は、780MJ/(㎡・年)と690MJ/(㎡・年)です。」と説明されることになる。ほとんどの方にとって

続きを見る...

市民タイムス(長野県)連載・第14回 投資としても魅力的な高断熱化

2015年7月2日

2015年7月1日
【投資としても魅力的な高断熱化】

今年4月から、新築戸建て住宅も「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の義務対象になった。この機会に、県がこの制度を通して目指していることや、本来、消費者が住まい選びの際に知っておくべき、住まいの『燃費性能』と『健康性能』との関わりなどについて、シリーズでお届けする。

さて、これまで住まいの断熱・気密性能の大切さを説明してきた。読者の中には、それはわかるが、そうは言っても高断熱住宅は価格が高く、「とても手が出ない」と感じている方も多いのではないだろうか。

実はそれも誤解なのだ。確かに「高断熱・高気密住宅」は、「低断熱・低気密住宅」よりも、住宅自体の価格は高くなる。しかしその分以上に、ランニングコスト(光熱費)が安くなり、結局は「高断熱・高気密住宅」の方がはるかに得になる。
断熱仕様による建設費と光熱費の比較_第14回
表は、一般社団法人日本エネルギーパス協会の試算だ。同協会理事の晝場貴之氏によると、現在の省エネ基準相当の住宅(Aランク)に対して、断熱性能の劣る平成4年基準相当(Bランク)の住宅は、40万円程度建設費が下がる。逆に省エネ基準よりも10%程度性能を上げた住宅(Sランク)の場合は、50万円、さらに性能を上げた北海道仕様(S+ランク)の場合は、130万円程度建設費が上がるという。

それに対して、光熱費は、35年間でBランクが210万円余計にかかり、逆にSランクだと160万円、S+ランクは200万円安くなる。高断熱住宅の方が得なのは一目瞭然だ。光熱費は今後まだまだ値上がりする可能性もあり、この試算よりも高断熱住宅の方がさらに得になる可能性も高い。

続きを見る...

市民タイムス(長野県)連載・第13回 分けて考えたい「風通し」、「漏気」、「換気」

2015年6月25日

2015年6月24日
【分けて考えたい「風通し」、「漏気」、「換気」】

今年4月から、新築戸建て住宅も「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の義務対象になった。この機会に、県がこの制度を通して目指していることや、本来、消費者が住まい選びの際に知っておくべき、住まいの『燃費性能』と『健康性能』との関わりなどについて、シリーズでお届けする。

さて前回は、断熱性能とともに気密性能が大切であることを説明した。しかし、高気密住宅は息苦しいので、中気密くらいの方がよいというような誤解をしている方もなかにはいるようだ。これは、「風通し」、「漏気」、「換気」をごっちゃにしていることから生じる誤解だ。

まず「風通し」だが、これは窓を開けて風を通すことをいう。「風通し」のいい家の住み心地はもちろんいい。しかし、「風通し」には窓や壁の配置が重要なのであり、「気密性能」とは直接の関係はないのだ。

次に「漏気」だが、これは文字通り家の隙間から知らないうちに出入りしている空気の流れだ。気密性能を高めることで隙間が減り、「漏気」も減る。逆に気密性能が低いと、せっかく暖房しても図のように暖まった空気は軽いため家の上部から逃げてしまい、その分だけ下から冷気を吸い込んでしまい寒い環境になる。つまり「漏気」は少ないほど望ましいのだ。
気密の図_第13回
そして「換気」は、人間の呼吸などで汚れた空気を排出し、新鮮な空気を供給することを言う。気密性能を高めると、漏気による換気が減るため、計画的に換気を行う必要がある。ただし冷暖房の時期には、換気を行い過ぎるとせっかく冷暖房した空気を必要以上に排出することになるため、適切な換気量を確保することが重要だ。

続きを見る...

市民タイムス(長野県)連載・第12回 高断熱化に忘れてはならない高気密化

2015年6月19日

2015年6月17日
【高断熱化には忘れてはならない高気密化】

今年4月から、新築戸建て住宅も「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の義務対象になった。この機会に、県がこの制度を通して目指していることや、本来、消費者が住まい選びの際に知っておくべき、住まいの『燃費性能』と『健康性能』との関わりなどについて、シリーズでお届けする。

さて、今まで住まいの断熱性能の大切さについて説明してきたが、断熱性能と合わせて大切なのが「気密性能」だ。断熱材を厚くしてどんなに断熱性能を高めた住宅でも、隙間だらけの家では、せっかく暖房した空気がどんどん漏れてしまい、冷たい外気が入ってきてしまう。それを防ぐためには、気密性能が大切なのだ。また気密性能が低いと、外気の湿気の侵入を防げないので、結露やカビ、ダニの発生につながるという。

住まいの気密性能を示す値に“C値”というものがある。C値とは、家の延床面積に対する「隙間面積」の割合を示す数値で、床面積1㎡あたりどれくらいの隙間があるかを表した数値だそうだ。この値がゼロに近いほど隙間が少なく、気密性が高いことを意味する。

高気密・高断熱住宅のパイオニアを標榜しているホクシンハウス(長野市)の相澤英晴代表取締役社長によると、気密性能は現場での施工精度に大きく左右されるため、モデルハウスが高気密だからといって、自分の建てた家も高気密になるのかといえば、必ずしもそうとは言い切れないという。そのため同社では、写真のように全棟で気密測定試験機を使った測定を実施するとともに、C値1.0㎠/㎡以下を保証しているという。ちなみに同社の2014年度の施工現場における気密測定値(C値)の平均は、0.16㎠/㎡だそうだ。

続きを見る...